新しい組織形態は進化型evolutionary組織

新しい組織形態は進化型evolutionary組織と呼ばれる


。その組織には指示関係を表す組織図もないし、全社戦略も、全社の予算もない。
現場の小さな人数からなるチームが権限を持ち、現場でおよそすべての意思決定を行う。
進化型組織の人々は利益を追わないし、自分らしく生き生きと働く。

こんな特性の組織を聞くと、特に営利組織として存在することは夢物語に見える。だが著者は
こうした組織を実際に発見し、調査し、その特徴を描き出す。こうした新しい組織形態を模索しているパイオニア組織は、
互いの存在を知らず、セクターや規模にかかわらず驚くほど似たような組織構造と慣行にたどり着いている
本書はそうした知らずのうちに共通した、進化型組織の特性をとても分かりやすく書く。
すぐに様々な疑問に浮かぶーーやる気のない従業員・フリーライダーへの対処、
予算配分、人事考査、報酬体系、採用、チーム間で意見が対立する際の調停、
マネジメント、法務や財務などのバックオフィス機能、利益を求める株主への対処。
こうした事柄に、進化的組織は対処する方法を持っている。具体例を挙げて明快に示される。
頻出するのはオランダの高齢訪問看護組織のビュートゾルフ、フランスの金属部品メーカーFAVI。
他にはグローバルな電力会社AES、アメリカのトマト加工食品会社モーニング・スターなど。